MUKU-DATA  杉 赤身 相决り(アイジャクリ)加工 

弊社レギュラー品の杉の赤下見板(外壁)180×18mmラフ挽き板に
相决り加工の依頼があったので、今回は弊社製材師の石川が相ジャクリ加工を行った。
通常であれば大工さんがやる加工ではあるが
枚数が100枚以下と少なく先方が急いでいて外注の納期が間に合わなかったので
弊社でやったが、これは大工心のある石川だからこそ出来たことで
でなければ、外注対応する事になる。

昔であれば材木屋、製材所は必要なサイズを製材して(挽きっぱなし)で
次へ(=大工さん)渡して一つの仕事が完了したが
近年はだんだん材木の加工までの依頼が増えてきた。

作業場を持たなくなった大工さんが多くなったのと
大工さん不足でなるべく加工は外で、大工さんは現場での造作に集中しなければいけない状況もあるのかと思う。

赤身の板の曲りの少ない物を選び、板が動かないように治具を作り
溝切カッターで耳白部分は相ジャクリで白太を取り除く。
機械に流せばモルダー加工から実加工まで一貫してできるのだが
そのような機械設備はなく従来の大工さんが作る相ジャクリ加工のやり方で
シャクリ部分をカッターで左右溝を付けていく。

自動で流す機械加工ではないので少し手間はかかるが
一枚一枚、材の特性を見極める事でできるので
これ位の枚数であれば、このやり方で十分かと思うし、
むしろこの従来のやり方の方が問題はないだろう。。

朝から晩まで毎日毎日、相决り加工となれば話は別だが。。。

これからの製材所、材木屋の役割とは・・・?
この業界に30年ほど身をおいているが時代と共に要望は変化している。

弊社は小さな製材所、同じ製品を毎日何百、何千と製造している訳ではなく
日々細かな要望に対応させていただいている。
扱う物は木、木材であれど、製材して作るものは日々違う。

逆を言えば新たな要望に応え続ける事で自ずとスキルはアップしていく。
今回の相ジャクリ加工にせよ、今回は杉の外壁材だったが
杉ではなく、例えばチーク、ウォールナット材でも応用が可能となる。
極端に言えばカーリーメイプルだって可能だし、インドローズの柾目、
神代木だって製作可能という事になる。

どこにもない内装材が作れるやん!
木の内装材の巾が広がるし、色々とできそう!と未来へ気持ちを持って行く。
(せめてもの慰めにならないように、日々攻め続けるのである。)